BtoBマーケティングで成果が早く出る理由|接点を一本につなぐ3つの手順
VISUAL SHIFTにて、当社代表取締役・山口義宏が、BtoB企業こそブランドの取り組みで事業が伸びる理由と、そのために踏むべき手順を語っています。
宣伝に大きな費用をかけられないから、うちには無理だと考える。この判断は、届けるべき相手の人数を数える前に下されています。対象が限られている事業で何をすれば選ばれるのかを整理しました。
この記事の要点
BtoBは対象となる企業が限られるため、広 く知られる必要がありません。
広報から商談まで、接点ごとに伝わる内容がそろっているかが分かれ目です。
名前やロゴを変えずに競争力が上がる案件が、実務では大半を占めます。
短い周期で試して直せるぶん、取り組みの成果が数字に現れるのが早くなります。
こんな方におすすめ
宣伝に大きな費用をかけられず、ブランドの取り組みを諦めている法人向け事業の方
技術力は高いのに価格で比較され、利益率が下がっていると感じている方
営業ごとに提案の内容がばらつき、受注率に差が出ている事業責任者の方
前提となる3つの用語
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、課題の整理や解決の考え方をまとめ、連絡先と引き換えに提供する資料のことである。検討の初期にいる相手と、名前のわかる関係をつくる役割を担う。
タッチポイントとは
タッチポイントとは、買う側が売り手と接するすべての地点のことである。広告や店頭に限らず、記事、資料、問い合わせの返信、商談の場が含まれる。
差別化とは
差別化とは、競合と比べて選ぶ理由になる違いを持ち、それが相手に認識されている状態のことである。違いが事実としてあるだけでは足りず、伝わって初めて成立する。
論点の背景
ブランドの取り組みは消費者向けの話だと受け取られがちです。ただし、届けるべき相手の人数を数えると、話は変わります。対象の業種と規模が限られる事業では、数千万人に知られる必要がありません。
実際、支援する側の会社ですら、名前を知っている人は多く見積もっても十万人に届きません。それでも十分な引き合いと単価が成り立っています。必要なのは広さではなく、届くべき層に強みが伝わっていることです。
手順そのものは単純です。広報で存在を知ってもらい、サイトへ来てもらい、資料の提供で名前を把握し、説明の場で理解を深め、最後に個別の提案へ移る。この流れは業種を問いません。
分かれ目は、その各地点で伝わる内容と印象がそろっているかどうかです。支援の現場でも、社名やロゴを変えない案件が八割を占めます。整っていないのは見た目ではなく、何を伝えるかの側です。
技術で先行していても、その差が伝わらなければ価格で比べられます。自社が当たり前だと思っている工程ほど、外 から見れば選ぶ理由になっていることがあります。何を強みと呼ぶかを社内でそろえる作業が、発信の前に来ます。
総務省の調査では、クラウドサービスを全社的に利用している企業は52.9パーセント、一部の部門で利用している企業は27.5パーセントで、合わせて8割を超えています。法人の買い手も、調べてから会う側へ移りました。 出典:総務省「令和6年 通信利用動向調査報告書(企業編)」(2025年5月30日公表)
実務での判断軸
1.広さではなく、誰に届けば成り立つのかを数えているか。 取引単価と成約数から逆算すると、必要な認知の規模は想像よりも小さくなります。その規模なら、専門誌や業界の場に絞った広報で届きます。費用をかけられないことは、着手しない理由になりません。
2.接点ごとの言い方が、同じ強みを指しているか。 サイトの言葉、資料の見出し、営業の説明がばらけていると、同じ会社の話として積み上がりません。深さは相手に合わせて変え、伝える中身は変えない形にしてください。
3.社内で何を強みと呼ぶかを、先にそろえているか。 部署ごとに自社の良さを挙げてもらうと、認識の違いが出ます。その違いがなぜ生まれたのかを確かめ、重な る部分を絞り込む。この作業が、外への発信より先に来ます。重なった部分が市場に伝わる強みの候補になり、ずれた部分は社内で握れていない論点として残ります。
3つに共通するのは、追加の費用ではなく社内の調整が中心になるという点です。取り組みの大半は、何を強みと呼ぶかを決める作業に充てられます。費用の話から入ると、この工程が飛ばされます。着手できない理由の多くは予算ではなく、この調整の重さのほうです。
編集部おすすめポイント
この掲載は、社内で話を通す場面まで踏み込んでいる点が特徴です。ブランドの取り組みとして提案するのではなく、営業を強くする取り組みとして提案するという助言は、そのまま使えます。
悪魔の事典
書き出し
本編で読めること
ここでご紹介したのは、判断の枠組みにあたる部分です。本編では、次の問いに対する答えが示されています。
対象が限られる事業で、認知はどの規模まで必要なのか
広報から商談までの接点を、どの順序でつないでいくのか
名前やロゴを変えずに競争力を上げるとは、何を変えることなのか
社内でブランドの取り組みを提案するとき、どう言い換えるとよいのか
本編はVISUAL SHIFTで公開されています。無料で読めます。
よくある質問
Q.宣伝に費用をかけられませんが、着手できますか。
A.対象となる企業が限られる事業では、広い宣伝は前提になりません。専門誌や業界の場に絞った広報と、資料や説明の場の組み立てで届きます。必要なのは費用よりも、何を伝えるかを決める社内の調整です。
Q.名前やロゴを変えないと、変わった実感が出ないのではないでしょうか。
A.実務では、名前もロゴも変えずに競争力が上がる案 件が大半です。変えるのは、どの価値を相手の頭に置きたいかと、その伝え方の側になります。
Q.成果が出るまでに、どのくらいかかりますか。
A.対象が限られるぶん、試して直す周期を短くできます。受注率や取引条件といった数字で確かめられるため、消費者向けの事業に比べて手応えをつかみやすい領域です。
執筆者
インサイトフォース編集部 | ブランド戦略とマーケティング組織の設計を専門とする編集部が、掲載記事の論点を実務で使える形に整理しています。 |
掲載情報
媒体 | VISUAL SHIFT |
記事 | 山口義宏さんに聞く、BtoB企業こそブランディングでビジネスが伸びるワケ |
掲載形式 | インタビュー(当社代表が語り手) |
公開範囲 | 無料 |
