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マーケティングの用語を覚える前に押さえること|マーケティングフレームワークと事業の段階

GLOBIS学び放題×知見録にて、当社代表取締役・山口義宏の著書『マーケティング思考 業績を伸ばし続けるチームが本当にやっていること』(翔泳社)が書籍紹介記事として取り上げられています。

マーケティングが難しいと感じる理由は、専門用語の多さに置かれがちです。しかし先に押さえるべきは用語ではなく、施策を判断するときの土台になる枠組みのほうです。


この記事の要点


  • 専門用語の暗記より先に、判断の土台になる枠組みを押さえます。

  • 枠組みは「誰に」「何を」「どのように」という3つに整理できます。

  • 顧客は価値と費用のバランスで評価し、その費用には時間も含まれます。

  • 事業の段階が変わると、同じ枠組みのなかで力点の置き場所が変わります。


こんな方におすすめ


  • マーケティングの担当になったばかりで、何から学ぶべきか迷っている方

  • チーム内でマーケティングの議論がかみ合わないと感じている責任者の方

  • 施策の打ち手が先に出てきて、方向性の共有ができていない組織の方


前提となる3つの用語

セグメンテーションとは


セグメンテーションとは、市場を性質の近い集団に分けて捉えることである。分けた集団のどこを狙うかを決める作業と組み合わせて使われる。用語としては英語のまま使われるため、初学者には入りにくい部分になりやすい。


ターゲティングとは


ターゲティングとは、分けた集団のうちどこを狙うかを定めることである。「誰に」の枠組みに当たる部分で、ここが定まらないまま施策の検討に進むと、訴求する内容も測る指標も決まらなくなる。


事業フェーズとは


事業フェーズとは、事業が置かれている成長の段階である。段階によって注視する指標も、起きやすい組織の課題も変わるため、同じ枠組みを使っても力点の置き場所が動く。


論点の背景


マーケティングは身近な事例で説明できるため、学び始めた段階では取り組みやすい領域に見えます。一方で難しいと感じる理由として最も多く挙げられるのが、英語のまま使われる専門用語の多さです。測定の手法や指標が増えるほど、この負担は大きくなります。

 

しかし用語を1つずつ覚えることが最初の作業ではありません。先に必要なのは、施策を判断するときの土台です。その土台は「誰に」「何を」「どのように」という3つの枠組みに整理できます。この分け方は、業種を問わず共通して使えます。

 

枠組みと合わせて押さえるのが、顧客が何を基準に選ぶかという原則です。顧客は得られる価値と、そのために払う費用のバランスで評価します。この費用には金額だけでなく時間も含まれ、しかもどちらも顧客が主観的に捉えるものです。競合がいる市場では相対的な比較が入るため、独自性を示す必要が出てきます。


日本マーケティング協会は2024年1月25日、マーケティングの定義を34年ぶりに刷新しました。1990年の定義が市場創造のための総合的活動としていたのに対し、新しい定義では顧客や社会と共に価値を創造することが前面に置かれています。 出典:日本マーケティング協会「34年振りにマーケティングの定義を刷新」(2024年1月25日)

実務での判断軸


1.「誰に」「何を」「どのように」を分けて議論できているか。 この3つが混ざったまま議論すると、施策の話と対象の話が同時に進んで結論が出ません。どの枠組みについて話しているのかを明示するだけで、議論の噛み合い方は変わります。組織内の共通言語として使えます。

 

2.費用を金額だけで捉えていないか。 顧客が払う費用には、入手までの時間や選ぶ手間も含まれます。価格が高くても早く手に入るほうを選ぶ判断は、この構造から生まれます。価格以外の負担を減らす打ち手が残っていないかを確かめてください。

 

3.事業の段階に対して力点が合っているか。 同じ枠組みを使っても、段階によって注視すべき指標は変わります。立ち上げの段階では購入した顧客に選ばれた理由を聞き、次の段階では購入していない顧客に選ばれなかった理由を聞く形に力点が移ります。


売上を伸ばす方向性そのものも、短期と中長期を合わせて数えられる範囲に収まります。打ち手を先に並べるのではなく、方向性を絞ってから施策に落とす順序にすると、次の行動を納得感を持って進められます。


編集部おすすめポイント


この記事は書籍を紹介する形式で、初めてマーケティングに携わる人が押さえておくとよい考え方が4点に絞って解説されています。用語の解説ではなく、判断の土台に焦点が置かれている点が特徴です。組織内で方向性をそろえる用途を想定して読むと使いやすい内容です。


悪魔の事典


書き出し


本編で読めること


ここでご紹介したのは、判断の枠組みにあたる部分です。本編では、次の問いに対する答えが示されています。


  • 初めて携わる人が押さえるべき考え方は、どの4点なのか

  • 価値と費用のバランスという原則は、どのように使うのか

  • 売上を伸ばす方向性は、どのように分類されているのか

  • 事業の段階ごとに、注視する指標はどう変わるのか


本編はGLOBIS学び放題×知見録で公開されている書籍紹介記事です。無料で閲覧できます。


よくある質問


Q.専門用語は覚えなくてよいのでしょうか。

A.覚える必要はありますが、順序が逆になっています。判断の土台となる枠組みを先に押さえると、個々の用語がどの位置に置かれるものなのかが分かるため、定着の効率が上がります。用語から入ると全体像が見えません。

 

Q.チーム内で議論がかみ合いません。何から整えるべきでしょうか。

A.「誰に」「何を」「どのように」のどれについて話しているかを明示することから始めてください。この3つが混ざったまま進むと、対象の話と施策の話が同時に走ります。共通の言葉として使えるだけで、議論の質は変わります。

 

Q.価格を下げる以外に、顧客の負担を減らす方法はありますか。

A.あります。入手までの手間や時間、選ぶときの負担、品質への不安といった要素はいずれも費用として受け取られます。価格を動かさずにこれらを軽くする打ち手が残っていないかを先に確かめる価値があります。


執筆者

インサイトフォース編集部

ブランド戦略とマーケティング組織の設計を専門とする編集部が、掲載記事の論点を実務で使える形に整理しています。

掲載情報

媒体

GLOBIS学び放題×知見録

記事

マーケティングの第一歩は「用語を覚えること」ではない『マーケティング思考』

掲載形式

書籍紹介

対象書籍

『マーケティング思考 業績を伸ばし続けるチームが本当にやっていること』(翔泳社)


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